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好きにさせて

第11章 距離

恋人でもないのに…


そう言われると
俺は全てを
謝らなあかん気がした


つい
やってしまって
後悔してる

そういうことか?


俺に優しくされて
ほんまは嫌やったけど
やってた

か?


茜はやっぱり
俺のことが好きやのうて
ずっと
合わせてくれてただけなんか?

嫌なことも

無理して…


俺は目の前が
真っ暗になった

真っ暗やのに
俺の脳裏には
俺を咥えた茜が浮かび上がり
更にその茜の
頭を抑える俺が
写しだされ

俺は


頭を抱えた


「だから…
少し距離を置くようにしたの

泊まったり…
何日も
ここへ来たりは
しないように

来てたのは
本当に辛い時だけ

急に…
そんなことして
ごめんね」



「無理…してたんか?」



「え?」



「俺のこと
好きでもないのに
恋人みたいなこと

やらされて…

ほんまは
苦痛やったんやないんか?」



その時俺はもう
茜の顔を見ることは
でけへんかった


「……」


茜の返事が
遅いということは


「…そういうことか…。

悪かったなぁ、茜。

ほんまに……」


色んなこと…やってもうて


「尚は悪くないよ。
私か悪いの。
私が弱いから
こんなことになって
ほんとに…

ほんとに
尚に迷惑ばっかりかけて
……っ…

辛いの…っ…」

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