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好きにさせて

第12章 嘘


茜がカウンターから出てきて
椅子に座ると

俺は久しぶりに
側に座った茜に
ドキッとして

中二か

と、自分で自分に
突っ込みを入れながら
もう一度
茜に酒を注いだ


「あー…久しぶりや」

「ん?」

「ええ匂いがする。
茜の髪の匂いや」

「あ…ありがと」

茜は
隣に座ってんのに
なんや距離があって

せやけど
これ以上近寄る勇気もない
それはそれでまた
中二みたいで

髪の匂いのこと
言われただけで
ちょっと耳が赤くなった茜もまた

中二みたいやった



「好きな男とは…

うまいこといってんのか?」



「あ、あぁ、うん」



「そぉか」



「尚は?
好きな人…できた?」



「ふられてまだ二週間やで?(笑)」


せやからまだ
好きな女は茜や


「…ごめん」


「いや、別にええねんけど
俺なぁ…正直言うとな」


「うん」


「茜のこと
ずっと好きやってん」


な、なにを言いだすねん俺!!

内心そう思うたけど
もう好き言うてしもてるし
突然別れてしまった茜と
もっと本当の話が
したかったと
この二週間ずっと思うてたし

なんで茜と
あーゆー関係になったのかを
正直に
話しておきたいと
思った

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