テキストサイズ

好きにさせて

第12章 嘘


それから俺は
手酌で酒を飲みながら
話を続けた


ほんまは
照れくさいはずやのに
俺はなぜか
話してることが
心地えぇくらいで
不思議な気分やった


「そもそも中学卒業したら
高校の入学前に
告白するつもりやってん(笑)

茜と連絡取られへんなって
せぇへんかったけどな…


それから
何人か彼女もおったけど
時々茜のこと
思い出してたし

水族館もな…


茜と約束しとったから
他の女と
なんや行かれへんかってな
デートで水族館
行ったことないねんで(笑)


おかしいやろ?


そんで
久しぶりにココで
茜に会えた時は
無茶苦茶嬉しかってんけど
茜が
「野崎くん」
とか言うから
なんやもう
ショックやったわ(笑)


そんなやから


茜と
色んな話して
できるだけ茜のことを
助けてやりたい
思うたんや

茜が
俺のことを好きやないのは
分かってたけどな…


それでも
茜のこと助けたかったし
茜と仲良うできることは
嬉しかったし
恋人のふりすんのは

最高に
楽しかったし。


恥ずかしいけどな。


本当は
言いたかったんやで?


好きやって。

付きおうてくれーって。

けどな…
それ言うたら
多分

茜は
俺に甘えてくれへん
思うてたんや

茜は
俺のこと好きやないから。


茜は
甘えんの下手やし
本当のこと
なかなか言わへん
迷惑かけるんも
嫌なタイプやしな(笑)


けど


我慢できんなって
言うてしもたんや

温泉で…。


ちょーっと
茜が
俺の事好きになってくれたような
気いしたんやけどなー


クスッ(笑)


そしたら
全然違うてて

ふられてしもたっちゅう訳や


あの後

結構凹んでたんやで?



まぁ


今もやけどな(苦笑)」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ