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好きにさせて

第12章 嘘


「な、尚…」

戸惑うのも
仕方ない

せやけど


「ほっとかれへんねん。

お前が心配で
仕方ないんや…」


そこまで言うと
茜は
小さな声で
答えた


「ここに
泊まったり…してた」


なんでや…

なんで
新しい男のとこに
行かへんねん!

できたら
行って欲しないけど!!!


俺はなんや
カッとなって
茜の手を握り
カウンターから茜を連れ出し
俺の部屋の鍵を
茜の手に握らせた


「俺がおってまずいなら
俺はこのまま飲みに行く。
せやから茜は
俺の部屋に行って
ゆっくりベットで寝たらええ」


「そんなことできないよ」


「新しい男に怒られるからか?」


「……」


「お前をこんなとこで
寝させるような男に
文句言われるなら
別れた方がええで」


俺は茜の答えを聞かないまま
タクシーを呼んだ


「すぐ来るらしいから
さっさと帰る支度せな」



「尚…」



「お願いや、茜

頼むから
ゆっくり寝てくれ」






「……ん…」

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