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好きにさせて

第13章 不通



said 茜


隠すなよ


薄暗い中で
そう言われた瞬間
身体から力が抜けるのが分かった


尚に膝を押されても抵抗せず
されるがままに
全てをあらわにするのは
そう言われたから


いつも隠れている部分に
冷んやりとした空気が触れ
そのあとすぐに
尚の指先が
ヌルヌルと滑るのが分かった


肝心なところを
触られてもいないのに
濡れているなんて
恥ずかしい

でも

…もっと触れて欲しい


「あっ…っ」


尚は
年上の人としか
セックスをしたことがないと
言っていたけど
それは…きっと優しい嘘


だから
見られたくない

がっかりされたくない


でも…触れて欲しい


尚の指先は
いつもより
焦れったいほどに優しくて

それはまるで

拷問のようだった

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