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好きにさせて

第14章 結婚


それから俺達は
また
学生の頃の話に花が咲き

小夜が
閉店になるまで
楽しく飲み続けた


「さ、そろそろ帰らねーと・・」

平田のそのセリフで
茜はタクシーを呼び
小夜の看板をしまった


平田をタクシーに乗せると
店には二人きり

久しぶりの
小夜の心地よさと
ほろ酔い加減が
気持ちよかった


実は

茜が
他の客に笑顔をふりまくのを
あんまり見たくなくて
小夜を避けてたけど

なんや
ここは落ち着くな・・

と、茜の身支度を待ちながら
俺は熱燗をすすった


「尚」


「なんや?」


「ごめん」


「どないした」


「今日、帰らなきゃ・・」


親父さんから
なんか連絡があったんやろう


「そぉか、仕方ないなぁ」


「・・うん」


寂しそうな顔をする茜に
手招きして
俺の横に座らせると
俺は茜に唇を寄せた


小夜で
キスをするのは

はじめてやった


「何時までおれるんや?」


「・・あと一時間くらいなら」


「ほなそれまで」


そう言って
茜を抱き寄せると

少し酔うてる茜も
俺に抱き着いて

どちらともなく
舌を絡めた


「んっ・・・尚・・」


「ん?」


「ちょっと・・恥ずかしい」


「店やからか?」


「うん」


「俺もや(笑)」

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