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好きにさせて

第16章 現実


その質問を聞いて
俺は箸を置き
台所に立ってる
おかんを呼んだ


「ちょっと聞いて欲しいねんけど」


「なに?」


「あんな
まず茜は一回離婚してるんや」


「……あ、そう。
まぁ、尚ももうえぇ歳なんやし
初婚の人もそんなおらんし
ねぇ、お父さん」



おかんが全力で
応援しようとしてくれてる感じがまた

ちょっと
切ない



「まぁそうやなぁ。
お前がそれでえぇなら
かまへんけど
子供はどないやねん。
連れ子とかおるんか?」


少し雲行きが怪しくなったのを
感じながら
俺は本題に入った


「いや、おらへん」


その言葉で
おかんは
ホッとした顔を見せた


「おらへんっちゅうか…」


「なんや」


「今から話すことは
茜からちゃんと
説明しておいて欲しい
言われたことやねんけど」


「……」



「茜は前に病気で手術してな

子宮、ないねん。

せやから
子供は産みとうても
産まれへんねん」





「そりゃ…



大変やったなぁ」


親父は

何て言うたらええんか
分からへん


そういう感じやった

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