好きにさせて
第3章 出張
翌日の日曜日
俺は今
空港で茜とのメールのやり取りを
読み返している
「勤務なに?」
「今日、来る?」
「昨日ありがとね」
茜からのメールは
いつもあっさりしたもんで
俺が店に来るかどうかの確認か
お礼の一言くらいしかない
そんなやから
俺もまぁ
あっさりした返事しか
送ってないねんけど
なんや
寂しい
あ~・・あかん
俺
茜のこと
好きになってもうてる
そう気がついたのは
昨日の夜や
平田の変な会話で
異様にムカつく自分に驚いたし
茜の
男も結婚も
しばらく考えてないという言葉に
思ってた以上に
ショックを受けた
流れで
付き合うことになったら
ラッキーやな
とか
一回くらい
やれたらええなぁ
とか
ぼんやり
思うてたりはしたけど
俺の本心はその程度じゃ
なかったらしい
昨日の夜から
ずっと茜が
俺の頭の中におって
消えることがないんや
茜、今何してるんやろう・・
ちょっと
メール送ってみたろかな
いや待て
送るとしても
なんて送るねん
くそっ
今日の出張は俺一人で
誰かに相談したくても
いつも一緒におる後輩も
側にはおらず
俺は
携帯を手にしたまま
溜息をついた