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好きにさせて

第3章 出張


足を洗い終わると
俺はまた
藤沢に腕をもたれながら
丸椅子に座らされた

なんや・・
藤沢の身体を
触ってしまいそうで
気が気じゃない


「もうすぐ先生戻って来るはずなんだけど
消毒だけ…する?」


藤沢はケガの様子を
見るために
俺の足元にかがむと
腕を組んだまま
俺を見上げた


うわ・・

藤沢おっぱいデカなってる


久しぶりに
近くで見た藤沢は
ちょっと胸が大きくなってて
白い体操服に
下着が透けそうやった


「ねぇ、どうする?」


「あ~・・
お前にやってもらうの怖いしな
先生のこと待ってるわ」


「ひど~い」


藤沢はそう言ったけど
消毒という大役をのがれたからか
少しほっとした顔をした


「もう大丈夫やから・・・
お前も座れや」


「・・うん」


藤沢が座って
お互いなんとなく落ち着くと
保健室が妙に静かに思えて
落ち着かない


み、み…密室や



「な、なぁ」


「ん?」


「なんや久しぶりやなぁ」


「あー、うん、そうだね」


「5組やろ?」


「うん、野崎くんは2組だよね」


「おう」


久しぶりに会った藤沢と
何を話せばいいのか
正直分からず
どーでもええことを
話してるんは
分かってたけど
俺にはどうすることもできんかった


その時

ガラガラガラ…

救世主が現れた


「あらー野崎くん
ケガでもした?」

助かった!
保健の先生や!


「せやねん!
死ぬから早う消毒してくれ!」


「して下さい、お願いします。
でしよ?!」


「あー…お願いします。
マジで」


「はいはい(笑)」

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