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好きにさせて

第1章 メアド


俺が茜と
メアドを交換したのは
2ヶ月くらい前のことだった



「なぁ、野崎」


「ん?」


「藤沢茜、覚えてるか?」


「あぁ、もちろん覚えてんで」


「あいつの店行かないか?
これから」


「え?店?
あいつの?」


俺の声は驚きのあまり
裏返っていた

だって茜は
この辺に住んでないはず…


「あぁ。
お前初耳かもしれないけど
藤沢の母親が亡くなって
母親がやってた店やってんだよ」


「え?
え、あの藤沢の母ちゃん
死んだのか?」


「そーなんだ」


「いつやねんそれ…」



それは
半年ほど前のことらしい


俺は長い転勤生活から解放されて
地元に帰って来たばかり

知らんはずや…


「病気か?」


「あぁ。
藤沢も結婚して
地元から離れてたろ?
気づいた時には
もう手遅れだったらしい」


「そぉかぁ…」


「どうする?」


「会いたいの会いたいけどなぁ」


「藤沢はもう元気にしてるし
お前が行けば喜ぶんじゃねーの?」


「そぉか?」


「うん」


「ほな…行ってみよか」

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