好きにさせて
第5章 部屋
しばらくすると
茜は俺のスウェットと
Tシャツにパーカーを来て
寝室から出てきた
ぶかぶかの服で
恥ずかしそうにしてる茜が
なかなか可愛らしくて
萌えたけど
俺はさっき
どうして俺の白いシャツを
渡さへんかったんかと
後悔した
男のロマン
見るチャンスやったのに…
「ごめんね、迷惑かけちゃって」
「なんも迷惑ちゃうで。
すごい雨やのに
うまいもん持って来てくれて
ありがとうな。
濡れた服は
風呂場に干しといたらええで。
それより寒いやろ?
熱燗でも飲むか?
お湯割りにするか?」
「じゃあ…少し熱燗飲もうかな。
冷えちゃったみたいだから」
そう言いながら
茜は手慣れた感じで
持ってきた惣菜をテーブルに並べ
濡れたシャツを
風呂場に干した
熱燗が準備できると
お猪口で乾杯し
お互い口をつけた後に
「はぁ〜…」
と、声が漏れ
二人でクスクスと笑った
「風呂入ってて
なんや悪かったなぁ」
「ううん。
久しぶりに男の人の身体見られて
ラッキーだった(笑)」
「何言うてんねん」
俺の方が
濡れたシャツとか
透けた下着とか見れて
ラッキーやわ
「平田くんと違って
お腹出てないんだね」
「平田はひどいからなぁ(笑)
男の身体見るん久しぶりとか
いつ以来やねん」
「ん〜……いつ以来かな(笑)
…二年…もっとかな。
忘れちゃった」
マジか。
離婚したんは
一年くらい前やのに
「そりゃ寂しいなぁ」
「そうね(苦笑)
尚は?」
「え?」
「女の子の裸、見てる?」
「ちょいちょいな(笑)」
「え、そうなの?!」
「携帯とかでな(笑)」
「もう」