好きにさせて
第7章 誓い
また泊まりに来るという
約束を取り付けて
俺が茜を解放すると
茜はまた
俺の顎ヒゲを
指先でなぞって
少し微笑んだ
「今度の月曜日
泊まってもいい?」
俺が甘えたから
そんな約束
してくれるんやろうか
それとも
茜が
来たいんやろうか…
「もちろんや」
「じゃあ…今日はもう帰るね」
「わかった」
「ねぇ、尚」
あかん…
めっちゃ好きや
「ん?」
「彼女ができそうになったり
好きな人ができたりしたら
すぐに言ってね」
なんで…
今
すっごいええ感じやったのに
なんで今
そんなこと言うねん
その言葉に
俺はちょっと
イラだってしまった
「わかってる。
わかってるけど
なんでそんなこと言うんや」
「迷惑
かけたくないから」
「迷惑なんかやない言うてるやろ?」
「…ごめん」
「いや、俺こそ…すまん」
ただ
ふりしてるだけで
ほんまの恋人やないんやもんな
俺かてほんまは
そう茜に言うてやらなあかん
立場やのに・・
「そんなことあったら…
ちゃんと言うから」
絶対にないけど
「うん」