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元カレとヨリを戻したのは夫が浮気をしていたせいじゃなくて

第32章 愛人からの旅立ち♡美緒SIDE♡

「それでは失礼させて頂きます」

「ぁのッ……」


せっかくの芝居を打ってくれた斗真を
引き留めてしまった。


「どうされました?」


言いたいことが……浮かばない。


すると下川が……


「永井はうちを辞めませんよ。
辞められても僕が困りますから」

「そうですね。では、おやすみなさい」


言わなきゃ……


斗真との最後を予期した。


「本條社長。本当に……本当にお世話に
なりました。御恩は一生忘れません」


斗真は背を向けながら
右手をスッと挙げると
軽く振った。

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