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本條社長はおたふく風邪を患った故に
種無しになってしまい
子作りは絶望的ということを
淡々かつサラッと口にして
全く重味を感じなかった。


きっと俺以外の第三者にも
打ち明けたのだろう。


「胡桃のことだから、打ち明けたところで
子供は要らないと突っぱねるだろうと
思ってな」

「それはありますね。同感です」


胡桃と別れることは本條社長にとって
苦肉の決断だっただろう。


本條社長がどれだけ胡桃を想っていたか
胡桃を好きな俺には分かる。


……そうなんだよ。


俺は胡桃を忘れられずにいる。