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蜜蜂オヤジ。

第16章 自由人の回想。

あれは…


俺が結婚してすぐの頃だ…。


俺は
自信のある写真を撮れたので
それを出版者に持ち込みで
売ろうとしていた…


と、その時…

町の雑踏の中に
ははおやを見かけた。

当時
海の母の志帆は
53、54歳くらいか?
しかし志帆は
そう…
今の櫻のように
年齢から7~8歳は若々しく見える
いわゆる美熟女だった…


『母さん?』
思わず声をかけた海であったが
声をかけるべきでなかったことに
一瞬で気付いた…

志帆は乙子の腕にもたれ掛かるように
寄り添い歩いていたからだ…

良妻賢母の極みのような母だと
海は思っていたが…
その時
あれだけ亭主関白な立ち振舞いをしている
父の大作に
尽くしきれていた背景には
父に尽くすことに疲れた時間を
いやしてくれる
特別な存在が母にいたことを
海は察知した…。


『あ!ごめんよ…!なんかタイミング最悪だったかな…』

海は挿入した言葉を残して
去ろうとしたが


志帆があとを追ってきた…

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