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蜜蜂オヤジ。

第22章 3番目の花蜜。

『わざわざ、こんな遠いところまで来てくださったんですもの!お父さんには、美味しいものを食べていただきたくて…。』


私は
今交際を考えている秘書に
今夜はプライベートだからと
彼を先に帰らせて
お父さんと二人の時を持った。


なれないフランス料理のお店で
でも
お父さんは
私の前で恥をかかないように…
つれてきた私に恥をかかさないようにと
一生懸命に
たち振る舞ってくれている…


なんだか
その姿が嬉しいし
お父さんには
ちょっと失礼だけど…
キュンとする可愛さがある!


不思議に私の胸はドキドキと高まった。


私は面識ないけど
今、お父さんが一緒に暮らしてられる
長男の薫さんの奥さんは
きっとこんな
ドキドキ感を
毎日味わっているのかな…

なんだかうらやましいな…。



『でも、嬉しいなぁ…まさかあれから10年以上がたって、息子の別れた嫁さんとこうして食事ができるんだから…。 ……あの頃、もっと菫さんの話を聞いてあげれていたら良かったね。 …寂しい思いさせて…ツラかったよね。』

キュン…!えっ?

お父さんの
心からの暖かな言葉が
私の胸に突き刺さる…。


『だけど…菫さんが、俺みたいなジイジには、足元にも及ばないくらい成功して社会で生きてることが嬉しいよ…。 …だけど、社長って仕事は孤独だろうから…早くその…彼って呼んでもいいのかな…そのかたと幸せになってください。そのかたに甘えてくださいね…。あ!菫さんを不幸にした乙子の父親が、こんなことしゃべったって…ギャクニモならないか… あはっ。』

キュン!キュン!
えっ?
ドキドキドキドキ!

やだ私…
お父さんがすごく格好よく見える…?

ワインに酔っちゃったかな?


自分の心のなかで起こっている
不思議な感情の化学変化に
菫は戸惑っていた。

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