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ダメビト図鑑

第5章 通勤途中で…

すると…

イオリはここ数日感じる
視線をまた感じた。


……あれっ?

イオリはホームからうしろを振り向くが
その視線の出所が掴めない。


やがて電車がホームに滑り込み
ドアが開いて
イオリと他の乗客たちを
乗せて駅を出発した。



ガタン…ガタンガタン…
ガタユガタンガタンガタンガタンガタン……


すると!
満員の電車内…

スリスリ…ナデェ…ナデナデナデ……。


……嘘っ!
……えっ…?
これって…チ、チ、痴漢さん…?


先程から
イオリのお尻を
あきらかに意図的に這いまわる手のひらを
イオリは感じていた!



…ヤダ!
なんでよりによって私なの?
……ヤダ… こわい……!

風俗の仕事ををしているとはいえ
こういう
異様な状況を受け入れるほど
イオリは度胸が座っていない…。


ナデナデナデ…

ナデーーーーー………ェ…。


拒否しない
いや拒否できないでいる
イオリのお尻に
手のひらが延々と這い回っていく…


………!!
もしや…
この手のひらの持ち主は
先日から
私が感じていた視線の持ち主?

嘘っ… こわいよぉ……

イオリは完全に
恥ずかしさと
恐怖で固まってしまっていた…。

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