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イオリは
やれやれ…。
と思いながら
普段は岳人から勝手にドア開けたり
掃除しないでよ！

そう言われている
パソコンとギターが置いてある岳人の書斎に
イオリは足を踏み入れた


………えっ？嘘……なにここ……◎


本は床に横積みに重ねられ…

パソコンは電源つけっぱなし…
しかもプリンターまで…

あれほどご執心に購入した
趣味のギターだってケースにも入れずに
壁に立て掛けたまま…。


岳人は章剛よりも子供だ…

私も大人だから
放っておいたが…
このとっ散らかりようは
大人の仕業なぶんたちが悪い…


……ったく！
帰ってきたら
これ見よがしに綺麗にしておいてやる！

もう勝手に掃除するななんて言わせない！


呆れ返るような
岳人のだらしなさに
一瞬イオリはなぜこの部屋に
自分が足を踏み入れたかの目的を
つい忘れてしまいそうになったが

慌てて机の上の岳人の会社の封筒を見つけ
そのなかを確認した
確かに資料らしくものが入っている…

『よし。これだな。はぁ、持っていってあげるか…　まるでできの悪い長男坊だよね…』

イオリはそう呟いて
岳人の会社へ向かった。