放課後は保健室で
第5章 余熱で3分
「じゃあ、手首大丈夫だった?」
「じゃあってなんですか?てか棒読みですっ!お陰さまでなんの跡もついていないので証拠が残りませんでした!」
がっくんと車がはねて学校の敷地をでた。
歩き慣れている道をこっちから見るのってなんか新鮮。
走る車から外を眺めていると、ふいに窓に先生の顔が映っている事に気づいた。
お、至って真剣な顔をしている!
最近は「ニヤ」「ふにゃ」「へら」「ふ」とかばっかりだったから一瞬ドキリとした。
やっぱこーやってみるとカッコいい。
口先じゃあ「惚れない」なんて言ってるけどちょっと気が緩むと見惚れてしまっている自分がいる。
ほら、今もね。