放課後は保健室で
第9章 保健室で恋をしましょう
先生も気づいたらしい。
「…望月、それどうした」
またぶつぶつ…じゃなくて、凛とした保健室の先生らしい声が聞こえた。
彼女の右手の甲は真っ赤な血に染まっていたんだ。
ああこれ、と苦笑いし左手で右手首をそっと握った。
「どうしても許せなくて…。ごめんね、私がされたわけじゃないのに」
「結…そんな。手がっ」
結の右手を両手で包み込む。
そういえば私を抱きしめてくれたのは片手だけだった。
「こんな傷だらけになってまで…。私の為に怒ってくれてありがとう。でも手…先生っ!結の手、治してください!血が…こんなに。この血の量だと縫わなきゃかもしれないですかっ?」
「…晴香」