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ある深夜の来店客

第1章 ある深夜の来店客

 俺は24時間営業のファストフード店『梅屋』で深夜アルバイトをしている。
 深夜は一人体制だがあまり客はこない。なんといっても時給が魅力的で、かなり美味しいバイトだ。


「いらっしゃいませー」


 午前2時。ヨレヨレのスーツを着た50代くらいのおじさんが来店した。
 彼は毎日、必ず同じ時間に来店する。
 仕事帰りだろうか、いつもひどく疲れた顔をしていた。だけど定食を食べ終えると顔色が良くなった。
 だから俺は……


「ありがとうございました!」


 満面の笑顔で彼を送り出す。
 自分の作った飯で人が元気になるのはやっぱり嬉しいからな。



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