もし世界で自分だけの法律があったら
第10章 家の近くにコンビニがほしい
「ただの下よりましじゃねぇのか?」
おれは後ろを振り返った。
「おっさん!」
そこには、例のおっさんが立っていた。
「よぉ小僧。なんだおまえ。浮かない顔して。薫にフラれたか?(笑)」
「そ、そんなんじゃねぇよ。そういうおっさんは?」
「おれぁ、これだ」
そういって右手に持ったコンビニのビニール袋を持ち上げた。
多分、中身はビールだと想像できる。
「おっさん、酒好きなのか?」
「まあな。けどな、おれの家はコンビニから遠くてよぉ。気が向いた時にしか買いに行かねーんだよ。めんどくせーからな。」