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21年愛~これからもずっと

第3章 にの目線 2





相「ねぇ。かず……?」




ビクン!


ふいに相葉さんからの、久しぶりに呼ばれる
その呼び名に。
思わず、心臓が跳ねた。


相「ねぇ……泣いてる?」


……そんな事わざわざ口に出して
確認なんかしないで下さいよ。

顔、ますます上げれなくなっちゃうでしょ?


相葉さんの暖かい声と寄り添っている
体温が……伝わってくる。


N「……泣いてない」


顔は上げずに、下を向いたまま、そう
返したら。

相葉さんの大きな手が俯いてる俺の頭に
ソッと乗せられて。
よしよしと、髪を撫でられた。
その時、



……あの日の。



初めて相葉さんとキスした記憶が
呼び起こされる。

脳裏に浮かぶのは……
今のこの状況と似た、あの日の
俺たちの光景。


重ねた唇は少しの時間だったけど……


あれから俺は、


ずっと相葉さんへの想いを抱えたまま。
今に至ってるんだから。


俺だって……


あんたの心の中に誰かいるんなら。


知りたいって思ったし、
それ以上に、知りたくないって思ってた。


だけど。


あの日の記憶は、薄れるどころか余計に
濃くなって。

その意味をずっとずっと本人に
聞いてみたかったんですよ。



二「ねぇ……そうやってさ……」



相「えっ?」



二「……ずっと昔の話よ?」


相「……うん」


二「俺に今みたいに頭撫でてくれて……」


相「……」


二「キスしたの……覚えてる?」




そう言って、相葉さんの方を見た。
しっかりと、目が合って……
俺は。
ぐっと拳を握りしめた。


相葉さんの真顔が。
いつも、見慣れないその表情に……
緊張してきて。


俺の目もゆらゆら動いているかも。



相「あ……うん」



そっか。


相葉さんも、ちゃんと覚えてくれて
いたんだね。



良かった……



本当に……


良かった。



相葉さんがちゃんと覚えていてくれて
るなら、幻でも何でもない、
リアルだったんだって思えて
安心したよ。


















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