テキストサイズ

愛すると言う事…

第7章 episode 7


どのくらいそうしてたのか…

もうそろそろ離してほしい。
いい加減恥ずかしいから。

智「…明日、早ぇんだよな?」

翔「あぁ」

智「……そろそろ、寝た方が…」

翔「そうだな」

言ってるくせに離れない翔さん。
無理矢理腕を剥がしたら、キスされた。

俺は逃げる様に風呂場へ向かった。






翌朝、目が覚めたら隣に翔さんは居なかった。

でも。

翔「智?……そろそろ起きろよ?」

目を開けていくらもしないで翔さんが寝室に顔を出すと、ベッドの端に座って俺の頬を撫で始める。

寝起きでまだハッキリと覚醒してない頭では、"抵抗"と言う言葉すら浮かばない。

ボーッとしながら『……何時?』って声を出したら嗄れてた。

翔「フッ(笑)……まだ5時前」

智「………早くねぇ?」

翔「早くねぇよ。…智の寝起きは普段の倍、動きが遅いからな?」

智「………」

翔「……目覚めのキスでも、するか?」

智「………するか///………馬鹿、じゃねぇ///」

朝から甘ったるい翔さんは、また声を上げて笑った。

前にも思ったけど…

人が変わってしまった様で。
それもやっぱり俺が居なくなった事からなのか。
そう思うと、本当に俺はとんでもない事をしたんだと、改めて胸が痛くなる。

この人を心から安心させる為には俺がもう少し変わらないと駄目なんじゃないかと思った。

頬を未だに撫で続けてる翔さんを見つめて、早朝からそんな事を思う。
だから、覚醒しきれてないお陰で…


両腕を伸ばしてみる。


目を見開いて驚いてる翔さんを無視して、翔さんの首元に腕を巻き付けた。


そのまま、俺から初めて…キスをした。


もちろん触れるだけしか出来ないけど。
すぐに離れた俺を、翔さんがポカンと見つめてた。

翔「………ど、した?」

智「………」

翔「熱か?…熱あんのか?」

智「…………ねぇよ。…んな事言うなら、もう二度としてやんねぇ」

腕を離そうとしたら、翔さんが慌てて俺を抱き締めてくる。
『悪い、吃驚したんだ…』と言いながらも、その声は至極嬉しそう。


もう俺には翔さんが居るだけで十分幸せだ。


口が避けても言ってやんないけど(笑)



ストーリーメニュー

TOPTOPへ