
愛すると言う事…
第7章 episode 7
目を覚ますと全裸だと気付いて。
途端に夕べを思い出してちょっと照れ臭くなった。
だけど、隣で眠る翔さんの顔が本当に穏やかで。
良かったと、心から思えた。
翔「……あんま見てると、また食うぞ?」
目を瞑ったままぼそりと呟いた翔さんは、いつから起きてたのか。
吃驚はしたけど、もう今まで程の恥ずかしさは無かった。
こんなに誰かを愛しいと思った事はない。
世のカップルはこう言うもんなんだろうか。
昨日まであんなに恥ずかしかったのに、今こうして裸でくっついてる事がこんなに安心するなんて思ってもみなかった。
智「………食いたい?」
翔「………」
智「…悪い、我慢して?………腹、痛ぇから(笑)」
翔「マジか!悪い!…中に出す気は無かったんだけど……間に合わなかったんだ」
智「……いいよ(笑)…そんな酷くねぇから」
キュッと抱き締めた翔さんが、散々喋ってから『…ってか、お前別人みたいだな?』って、今更な事を言い出して思わず笑ってしまった。
笑ったら、また吃驚されて。
翔「やっと…笑えたな?」
頬を撫でて優しく笑った。
暫くベッドの中で裸のまま抱き締められたりキスをしたり。
ピッタリくっついてる俺に翔さんはずっと嬉しそうで。
だけど、ずっとこのままだと本当にまた食われそうな勢いでキスをし始めた。
智「……しょ、さ………もう、離せ…って…」
翔「もう少し」
智「…駄目だって!……トイレ行きてぇんだよ」
腹が、限界で…
何とか翔さんを引き剥がして落ちてたパンツだけ履いてトイレに向かった。
結局、この日は俺が腹を壊した所為で何処にも出掛けられず、ずっとホテルの部屋で過ごす羽目になった。
特に俺は気にしてなかったけど、翔さんは観光スポットをリサーチしてたらしくかなり落ち込んでた。
『…明日には治るだろ?』って言ったけど、自嘲気味に笑って終わる。
まぁ仕方ない。
ずっと待たせて我慢させたのは俺だし、翔さんが悪い訳でもないんだけど、堪えきれなかったと自分を責める気持ちも分からなくはない。
