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愛すると言う事…

第2章 episode 2




だけど、死んでもいられない。

近いうちに、俺の本当の話をしなきゃ…

この人は、俺の話を聞いても変わらないだろうか。
どんな俺でも、好きだと…変わらず言い続けてくれるんだろうか…






残りのビールを一気に飲み干し、バタリと後ろに倒れ込んだ。

優しく笑う声が、耳に届いて。

俺の記憶はそこまでしか、ない。







目覚めたら、案の定頭痛がした。

翔「おはよう」

智「………はよ。…頭…「だから言ったろ(笑)」」

こめかみを押さえる俺に、翔さんは笑った。

面と向かうと、途端に夕べの事を思い出す。
誤魔化す様に頭を押さえてソファに座った。

翔「ほら、薬。……ちょっと顔赤いな。熱でもあんのか?」

額に触れようとした翔さんの手を、パシッと思わず払いのけてしまった。

智「……ご、めん……何でもない。…大丈、夫///」

翔「そうか?無理すんなよ?」

頭を撫でたその手は、吃驚する程優しくて。
夕べの店主の言葉を思い出した。

『翔ちゃん、優しいでしょ♪』

…///

一人赤面した。
すぐにこいつは気付くから、ちょっと厄介だなぁなんて思った。

特に何も言わなかったけど、赤くなった俺に優しく微笑み隣に座って来る。

智「……来んな…」

翔「何で?」

そっぽ向いて呟いた俺を、楽しそうに覗き込んできた。

翔「なぁ」

智「…何」

翔「こっち向けって」

智「……嫌だ」

翔「別にからかってる訳じゃねぇんだって」

智「………」

翔「俺も、初めてなんだよ」

智「……何が?」

翔「ここまで好きになったの。…実は夕べ智が店に出てるの一人で勝手に想像してイラついてた。そんくらい、嵌ってんだ」

智「………馬鹿、だろ///」

こんなストレートに、言うか?
恥ずかしいとか、思わないんだろうか。
それともこれが普通なのか?
世間の奴らは皆こんななのか?

翔「そう言えば。…魘されてたけど、大丈夫か?」

智「…あー……まぁ。気にしないで、昔からだから」

翔「は?昔からって…大丈夫なのか?何かあんなら…「…大丈夫、マジで。本当に」」

多分、まだ言っちゃいけない気がする。
物凄く心配してくれてるんだろうけど、俺がまだ怖いから。
嫌われたくないと、初めて思った。

もう少し…
後少しだけ待ってほしい。

そしたら全部…話すから。

今は、まだ…

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