
愛すると言う事…
第2章 episode 2
更には『翔さんが惚れるはずだわ!』って言ってのける。
こんな初日に、やめてほしい。
ってか、何でマネージャーが知ってんだ?
恥ずかしいながらも不思議だった俺に、マネージャーは『店の全員、知ってるよ』と笑った。
智「…///」
斗「智くんが店に来る日が決まった時点で、全員に『俺の男だ。手出すな』って、凄んでた(笑)」
智「…は?……馬鹿だろ」
斗「いや、でも分からなくもないな。だって、智くん超綺麗だもん」
智「……き、///」
斗「うちの店、店内恋愛自由なんだよ。まぁただ、いざこざ起こさないって事はもちろん前提なんだけど。…俺も、光一さんと付き合ってるからさ♪」
もう、何も言う事は出来なかった。
最後に『いざこざ起こしたら、大小問わずNo.1だろうと首だから』と、あっけらかんと言うマネージャー。
怖ぇ。
何だこの店。
自由はもちろんありがたいんだろうけど、サラッと"首だから"なんて…
まぁ…
吃驚はしたけど、当然っちゃあ当然か。
どの世界も、問題起こせば何らかの処分はある訳だから。
翔さんの事だ。
そこは大丈夫だろう。
翔「どうだった?慣れそうか?」
閉店してから先輩たちが帰って行くのを見送って、翔さんには『待ってろ』と言われたけど『…歩きたいからいい』と断って先に帰って来た。
いくらもしないで帰って来た翔さんは、起きてた俺にそう聞いてくるから、俺はちょっとシカトしてみた。
翔「…?……智?」
智「………」
翔「どうした?…何で怒ってんだ?」
智「………自分の胸に手当てて考えな」
煙草に火を着け煙を吐き出した俺を他所に、必死で考え始める翔さんは、本当に俺にシカトされるのはキツいらしい。
だからって何も全員に宣言する必要はない。
分かるまでそうしてろ。
俺は煙草を揉み消してシャワーを浴びに立ち上がった。
翔さんは未だ唸りながら思案中。
そんな姿はちょっとだけ可愛いなんて…
口が避けても言えない。
後が、とてつもなく恐ろしいから。
