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愛すると言う事…

第2章 episode 2


シャワーから出てきたら、翔さんはソファでコーヒーを飲んでた。

首にタオルを掛けてスウェットの下だけ履いた俺は、寝室の隣の部屋にTシャツを取りに行こうとしたのに、ソファの側を通った所為で腕を掴まれた。

翔「……全員に宣言したの、そんなに嫌だったのか?」

翔さんは本当に自分で考えてこの答に辿り着いたんだろうか。

本当は一瞬何を言われてるのか分かんなかったけど、すぐにさっきの俺がシカトした原因の話だと思い出す。

智「………ちゃんと、自分で考えた?」

翔「………」

智「……聞いたんだろ?…マネージャーに」

翔「悪かった。だけど、「…恥ずかしいだろ。俺、嫌なんだよ。周りにいろいろ言われたり聞かれたりすんの。人と関わったりすんの苦手なんだよ」 」

翔「………」

智「…出来れば、そっとしておいてほしい。翔さんは……まぁ、別にいいけど……マネージャーにも、今日言ってきた」

翔「……何を?」

智「…なるべく、俺の事構わないでくれたらありがたいって…」

本当に、慣れないから。

出来ればひっそり一人で居たい。

前の店でも、殆んど俺に話し掛けて来る奴は居なかった。
潤は話し掛けて来たけど、俺の性格を分かってたからそんなにしつこくもなかったし、一言二言くらいだったから。

クイッと引っ張られて隣に座らされた。

翔「一緒に居るのも、本当は苦痛なのか?」

智「……だから…翔さんは、別にいいって」

翔「別にいいって…」

智「…翔さんは、いいんだよ。落ち着くし///……だけど、あんま慣れてない人とか凄ぇ喋る人で返事求めて来たりする人は…駄目なんだ、俺」

翔「まぁ、智自体が喋んないからな?」

また頭を撫でられた。

と、同時に唇に触れる柔らかい感触。
すぐに離れていった翔さんは、やっぱり優しく微笑み頭を撫でた。

俺じゃなくて、翔さんが好きなんじゃないか?
頭、撫でるの…

そんな事思ったけど…
口に出せばどうせ認めないだろうし、面倒臭いから黙っておく事にした。


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