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愛すると言う事…

第5章 episode 5


昨日は雅紀とカズが店に来たと言われて。
『…連絡忘れてた』と言った俺に『だと思いました』って笑った。
涼介は『当たり障り無い感じで説明してました、マネージャーが』と教えてくれた。

雅紀たちを知ってるのは光一、斗真、涼介だけ。

それも一度しか会った事は無いはず。
本当は雅紀たちにも話さなきゃならないくらい、あいつらを信頼してる。
だけどこれはある意味智の問題だから、俺が勝手に話す事が出来ないでいた。

翔「電話しておく。悪かったな?」

涼『……翔さん。謝ってばっかっすよ?』

翔「あー、そうか?」

涼『そうっすよ。あいつ……智。…ちゃんと、目覚めさせて下さいね?』

翔「………」

涼『じゃないと、俺が頑張ってNo.3に成り上がった意味無くなりますから』

翔「涼介」

涼『…はい』

翔「…ありがとう」

涼『………』

翔「言っておくよ、智に。…涼介がNo.3になったぞって」

智の名前を口にした涼介の声は少しだけ震えてた気がする。
それでも、ちょっと笑った涼介は『…あいつがヘルプで助かったかも』って最後に呟いた。





三ヶ月経った頃、漸く"もう心配はない"と医者に言われた。

呼吸器も取れ、心電図モニターはまだ付いてるものの、繋がってるチューブは点滴くらいだった。
部屋も大部屋に移っても問題ないと言われたけど、そこは個室のままでと看護師に頼んだ。

担当してる看護師が『…二人の方がいいよね?』と、眠る智に話し掛けて俺にニヤリと笑う。

苦笑いするしかなかった。


当然そんな状態まで回復したから、面会も自由になり。

俺は泊まる事は出来ないにしても、自由に病室を出入り出来るから面会時間の限界まで病室に居座った。

時々、担当の看護師に邪魔者扱いされたけど…


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