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愛すると言う事…

第6章 episode 6


翌朝。

目を覚ましたら、やっぱり真っ白な部屋に居て。

"翔"って男は、傍にあった小さなソファに収まりきれない体を小さくしながら眠ってた。


ゆっくり起き上がると、少しだけ頭痛がした。

翔「……起きたか?…おはよう」

何だろう。
昨日から、この人の一言一言が俺の胸の中をざわつかせる。

"おはよう"って一言に、何故か懐かしさを覚えるのは何故だ?

智「……ねぇ」

翔「ん?」

智「…何で俺の事、知ってんの?俺、知らないのに」

翔「あー……どっから話そうか…とりあえず、智は今中3なんだろ?」

智「…ん。もう卒業する」

翔「結論から言うと、今現在智は22歳だ。お前のばあちゃんは…お前が高校の時に亡くなった」

え?
俺、22歳…?
嘘だ、あり得ねぇ。

翔って男が、それから今現在に至るまでをゆっくり丁寧に分かりやすく話し始めた。

翔「……だから、お前は今ここに居る。…質問は?」

智「……………いっぱいあり過ぎて…何から聞いていいか……分かんねぇ」

翔「だろうな(笑)いいよ、ゆっくりで。…俺にも智にも、時間はたっぷりあるから」

そう言うと、やっぱり優しい温かい手で頭を撫でる。

智「……好きなの?…頭撫でるの」

翔「あはは(笑)俺じゃねぇよ。智が、好きなんだ」

智「…///」

翔「照れるのは、昔から変わってないんだな?」

楽しそうに笑う翔。

俺はちっとも楽しくなんか無い。
寧ろムカつく。

からかわれたりするのはマジで好きじゃないし、況してやこんなに人と深く会話をするのなんてばあちゃん以外殆んど居ないから。

翔「まだ覚めたばっかのお前にはキツいかもしれないけど…」

突然、真剣な顔して俺に向き合ってくる。

何を言われるのか。

身寄りのない俺がばあちゃんはもう亡くなって居ないんだって事実以外に驚く事があるとは思えないけど。

智「……何だよ」

翔「俺と智は…付き合ってる」

智「……………は?」

翔「…だろうな?間違ってねぇよ、その反応。まぁショックだけどな?」

智「…いやいやいや。だって、男だろ?俺、嫌なんだ人にからかわれたりすんの」

翔「からかってねぇし、冗談でもねぇよ。まぁそのうち分かる」

……あれ?
何か、どっかで聞いた様な…


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