
愛すると言う事…
第6章 episode 6
~*~
和「大野さんが別人みたい♪」
和はこの上なく嬉しそうに笑ってる。
智はかなり無愛想で無口だったと思い知らされた様で。
高校時代、"大野先輩は実は声が出なくて喋れない"なんて噂まであったらしいのも、ちょっとへこんでた。
翔「まぁ、俺にしてみたらどっちでもいいけどな?…智が居ればそれで」
智「………///」
雅「あ♪大ちゃん赤くなってる♪照れ屋は健在だね?」
やめとけば良かった。
からかわれるの嫌いなんだって事、すっかり忘れてた俺は、後悔しても遅く。
途中だったお重弁当。
箸を置いて立ち上がると智は病室を出ようとした。
咄嗟に、智の腕を捕らえて。
翔「……お前らやめろ。…智、悪いな?もう茶化したりしねぇよ」
二人に言うと、慌てて『ごめん!』と和も雅紀も謝ってくれた。
だけど智は不貞腐れたまま…
元の場所に座ったけど、背を向け顔を見せてはくれなかった。
和も言ってたけど、何だか本当に智が別人の様で。
こんな分かりやすく不貞腐れた態度は初めて見たから、やっぱり智は昔の智なんだろう。
こっちはこっちで、可愛いけど…
退院の日。
荷物なんて物は何一つ無い智。
着替えさえ済めばすぐにでも出られるから、俺は会計を済ませて医者と看護師が来るのを待っていた。
『…お待たせしてすいません』
予定より少しだけ遅れて病室に入って来た医者。
軽く頭を下げた。
『昨日、最後の検査を行いましが…結果から言うと大きな問題はないと思います。ただ…』
翔「…ただ?」
『もしかしたら、運動神経の方に異常が出る可能性もあるかもしれません。…まぁ可能性が無い訳ではないと言うだけのお話なんですが』
翔「……運動神経、ですか?」
『はい。恐らく無いとは思います。でも一応頭に置いて下さい。異常が出たとしても僅かなマヒ程度かと思いますので…何かありましたらすぐに総合病院に行ってみて下さいね?』
翔「はい。…ありがとうございました」
あれだけの事があったのに、まだこいつを苦しめる可能性があると…?
もう、これ以上は…やめてくれ…
俺には、今後智が何事もなく過ごせる様にと、祈るしかなかった。
和「大野さんが別人みたい♪」
和はこの上なく嬉しそうに笑ってる。
智はかなり無愛想で無口だったと思い知らされた様で。
高校時代、"大野先輩は実は声が出なくて喋れない"なんて噂まであったらしいのも、ちょっとへこんでた。
翔「まぁ、俺にしてみたらどっちでもいいけどな?…智が居ればそれで」
智「………///」
雅「あ♪大ちゃん赤くなってる♪照れ屋は健在だね?」
やめとけば良かった。
からかわれるの嫌いなんだって事、すっかり忘れてた俺は、後悔しても遅く。
途中だったお重弁当。
箸を置いて立ち上がると智は病室を出ようとした。
咄嗟に、智の腕を捕らえて。
翔「……お前らやめろ。…智、悪いな?もう茶化したりしねぇよ」
二人に言うと、慌てて『ごめん!』と和も雅紀も謝ってくれた。
だけど智は不貞腐れたまま…
元の場所に座ったけど、背を向け顔を見せてはくれなかった。
和も言ってたけど、何だか本当に智が別人の様で。
こんな分かりやすく不貞腐れた態度は初めて見たから、やっぱり智は昔の智なんだろう。
こっちはこっちで、可愛いけど…
退院の日。
荷物なんて物は何一つ無い智。
着替えさえ済めばすぐにでも出られるから、俺は会計を済ませて医者と看護師が来るのを待っていた。
『…お待たせしてすいません』
予定より少しだけ遅れて病室に入って来た医者。
軽く頭を下げた。
『昨日、最後の検査を行いましが…結果から言うと大きな問題はないと思います。ただ…』
翔「…ただ?」
『もしかしたら、運動神経の方に異常が出る可能性もあるかもしれません。…まぁ可能性が無い訳ではないと言うだけのお話なんですが』
翔「……運動神経、ですか?」
『はい。恐らく無いとは思います。でも一応頭に置いて下さい。異常が出たとしても僅かなマヒ程度かと思いますので…何かありましたらすぐに総合病院に行ってみて下さいね?』
翔「はい。…ありがとうございました」
あれだけの事があったのに、まだこいつを苦しめる可能性があると…?
もう、これ以上は…やめてくれ…
俺には、今後智が何事もなく過ごせる様にと、祈るしかなかった。
