
愛すると言う事…
第7章 episode 7
あの日。
翔さんからの最後のメール。
【愛してる】
泣き出しそうな、それを堪えてる様な声に…あの時のメールを思い出す。
智「………愛……してる…」
翔「……え?」
智「……メール。…最後に、くれた」
翔「あ、あぁ。…吃驚、した」
智「……俺、も…」
翔「………」
智「…俺も………ちゃんと、翔さんと…同じ気持ち……だから///」
翔「智…」
一生分の勇気を振り絞った。
そんな気持ちだ。
体中が熱くて、恥ずかしくて死にそうだった。
それでも何でも、やっぱり翔さんの想いには答えたかったから。
目の前の翔さんが、ポカンとしたままで。
俺は翔さんを突飛ばし布団の中に潜り込んだ。
頭まで布団を被って体ごと隠れた。
翔「…智」
智「………寝る」
翔「智…」
智「…///」
何度も何度も名前を呼ばれた。
でも決して無理矢理布団を剥がそうとはしなくて。
顔が見たいとか、頼むからとか…
翔「智………頼むから顔見せてくれ」
智「………嫌だ///」
翔「何で?」
智「………」
翔「…キスしたい。……お前に触れたい」
翔さんの声が、どんどん切なさを含んでいく。
こっちまで切なくなる様な声で名前を呼ばれたら、もう俺には抗う事なんか出来ず。
そっと顔を出した俺に、翔さんはやっぱり切な気に今にも泣きそうな顔で俺を見つめてた。
翔「愛してる…智」
囁いて頬に手を添えた翔さんは、とうとうその大きな瞳から涙を溢して。
ゆっくりと近付く唇が俺のそれに触れた。
温かくて優しいキス。
無意識に翔さんの首に腕を回した。
俺の腰をキュッと抱き寄せると、数センチ離れて『…ヤバい』と呟く。
何度も触れるだけの啄む様なキスを繰り返した翔さんが、身体を離しながら『これ以上は止まらなくなるな…』と笑った。
何を言いたいのかくらい分かってる。
俺にはそんな経験ないし、況してや"男同士"なんて予想もしてなかった。
何をどうするくらいの知識は何となくなら分かる程度だけど、翔さんが三年もの間ずっと傍で俺を世話してくれた事を思えば"止まらなくなる"って願いを、叶えてやりたいと思わなくもない。
智「………もう少し……待って、ほしい///」
多分、俺の顔は真っ赤だ。
