
愛すると言う事…
第7章 episode 7
想いを伝えたさっきも真っ赤だったと思うけど、今も恐らく同じくらい真っ赤だと言う自覚がある。
また、翔さんがポカンと固まった。
翔「……いい。…無理強いするつもりはない。智が嫌だって言うならずっとこのままでも俺は構わないから」
そう嬉しそうに笑う。
『その想いだけで十分だ』ってまた、抱き締められた。
朝、目を覚ましたら隣に翔さんが居た。
魘された…んだろうか。
前は魘される度に頭を撫でて抱き締めて背中を擦ってくれたけど、夢を見ない日はいつもソファに居る翔さん。
温かい…
いや、寧ろ暑い。
汗ばんだ俺の身体は、夢で魘された所為なのか、翔さんの無駄に高い体温の所為なのか…緩く抱き締めてる腕を静かに外そうとしたら、その腕に力が込められ元の位置に戻される。
翔「………どこ、行く?」
掠れた寝起きの声。
智「……シャワー…」
俺もまた、嗄れた声が出た。
フッ…、と笑う翔さんが更に俺を抱き締めてて。
『…離して』といくら言っても離してくれず、諦めた。
まるで子供の様だった。
起きてるくせにいつまでも俺の身体を離そうとしないのは、三年分の想いだろうか…
そう考えると、またちょっと申し訳なくなる。
何も言わずされるがままの俺に、気が済んだのか徐に起き上がった翔さんが『腹減ったな?』と苦笑した。
キッチンで冷蔵庫を開けると、当然…何もあるはずもなく。
三年前の、得たいの知れない食材らしき物が視界に入った。
片付けないと…
そう思いながらもこんな早朝からそんな気にはなれず、そっと冷蔵庫を閉めた。
翔「昨日、買い物しときゃ良かったな?」
どうしようかと立ち尽くす俺の後ろから、フワリ抱き締められた。
吃驚してピクリと肩を揺らすと、フフッと笑う翔さんは音を立ててキスをしてきた。
何だろう…
今朝からこの人の様子がおかしい。
俺はまだ夢を見てるのか?
これも夢で、俺はまだ生死をさ迷ってるんだろうか。
赤くなるどころか固まる俺に翔さんが『コンビニ行くか…』と呟き離れていった。
考え込む俺を放置してさっさと着替えた翔さんは、一人で行くのかと思えば『早く着替えろよ』と宣う。
