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貴方の涙は俺が拭くから ON

第35章 言わなくちゃいけないのに4 智



ちょっと埃っぽい部屋の中
気温は寒いくらいなのに
枕を押し付けられて 顔だけ暑かったことや
メチャクチャに暴れて 手足がぶつかって痛かったこと

先輩が助けてくれた後 服を着るように言われても
ガタガタ震えが止まらなくて
指先に力も入らなくて
なかなかうまく着る事が出来なかったこと

その時は気づかなかったけど、後から見たら
手も足もぶつけた所が青く痣になっていて
思い切り押さえつけられたせいか
唇が切れて血が滲んでいたこと


自分の記憶をなぞりながら
自分の気持ちを確かめるように
俺は ゆっくりと 全部話し始めた



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