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貴方の涙は俺が拭くから ON

第4章 スケッチブックに隠された秘密4 智


4-1

「ちょっと早く着き過ぎましたね、スミマセン」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ」


渋滞を予想して 移動時間を長めにとったのに、
いつになくスイスイと進んだらしく、
集合時間よりずいぶん早くTV局に着いたんだけど


楽屋のドアを開けた俺は ドアノブを掴んだまま
フリーズした

心臓が ドクン、と音を立て
視線が一点にロックオンされる


その先には 机の上に腕を組んで 
突っ伏したままうたたねしてるニノがいた



二人きりだなんてヤバいじゃん
誰か来るまで どこかで時間潰して来よう

そう思って 引き返そうとした時
ニノがモゾ・・と動いて 指で自分の袖を
引っ張るような仕草をする

もしかして寒いのかな?

部屋の中は空調が効いてて、寒いって程の温度でもないけど
薄い背中や細い項が なんだか寒そう、というか
心細そうに見えて、
楽屋に備え付けのブランケットを そっと肩にかけてみた



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