
貴方の涙は俺が拭くから ON
第44章 優しい人2 ニノ
だけど。
素直になった方が良いのかも、と思いつつも
俺は見栄を張ることを選んでしまった
結ばれることに未練たらしい男と思われたくなくて
優しくて理解ある大人を装ってみる
「そんな筈無いでしょ。俺、貴方と一緒だと 気持ちが安らぐんだもん。さ、もう時間も遅いし、寝ようか」
「うん・・・」
一応目を閉じてみたけど 勿論眠れるはずなんかない
それどころか いよいよ口から飛び出しそうな位
身体の中で心臓が暴れまくってる
大野さんの手は俺の背中に添えられたまま
勿論それ自体は嬉しいんだけど
こんなんじゃドキドキしてるのバレちゃうじゃん・・・と焦って
ちょっと身体を捩じる様にしてみた
