
貴方の涙は俺が拭くから ON
第48章 優しい人6 ニノ
6-1
大野さんと一緒に居られること自体は嬉しい
てゆーか、自分でもびっくりするぐらいアガッてる俺が居て
正直ちょっと引いちゃう程
けど、今の俺の心の内は なかなかに複雑で
当然のように、泊まって行くことを前提とした会話をする大野さんに
俺はどんな態度を取ればいいのかよくわからないまま
勧められるままに風呂に入り
勧められるままにビールを飲んだ
仕事終わりにマネージャーに送ってもらったから
自分の車で来てるんじゃない
だから 呑んだことが理由で
「もう帰れないじゃん」なんて言うつもりはないけど
ついこの間、ほとんど眠れないままに
朝を迎えた記憶は まだ新品同様
今日もまたこの間と同じ夜、そして同じ朝が来るのか?
