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貴方の涙は俺が拭くから　ON

第49章 優しい人7　智


7-1

自分の内側にある　恐怖心から目を逸らして
まだ乾いてない傷口の痛みにも　気づかないふりして
何年も生きてきた

アレはもう　全部終わったこと
だから、最初から無かったことと同じだ、と
自分に言い聞かせて生きてきた


この先、誰も好きにならなくていい
俺は一人で生きていく方が似合ってるから、と
自分の生き方を決めたつもりでいた


何年もそうやって来たんだから
その決意のバリケードは　そう簡単には壊れない筈だったのに



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