
貴方の涙は俺が拭くから ON
第51章 簡単じゃない1 智
「大野さん・・・?」
「・・・・・・」
ギュッと目を閉じてれば やり過ごせると思った眩暈は
すぐには治まらなくて
呼びかけに応じて 片目だけ瞼を開いたけど
貧血起こしたみたいに 手足が冷たい
「大野さん、大丈夫?」
「・・・大丈夫・・・」
そんな心配すんなって
俺は大丈夫だから
俺はもう大人になって 昔より随分逞しくなった
それに今の俺にはニノが居てくれる
過去に縛られて がんじがらめになってた俺を
自由にしてくれたニノと一緒なら
こんなこともちゃんと乗り越えられるようになってる筈
