
貴方の涙は俺が拭くから ON
第52章 簡単じゃない2 ニノ
二度目の呼びかけには「大丈夫」と
応えてくれたけど、
その綺麗な顔はまだまだ蒼白で
俺は背中を包み込み、そっと撫でる事しか出来なかった
“こんなに悲壮な表情をしてまで 頑張らなくていいよ、
俺はそんな事 望んでないから”
そう伝えたかったけど、
きっとそれは大野さんが欲しい言葉じゃない
俺は本当に本当に 貴方の為になら、
出来る事は何だってしたいと思ってるけど
じゃあ何が出来るのか?って聞かれると
満足な答えを出すことは出来ないんだ
ホントに俺は 役立たずだね
