
貴方の涙は俺が拭くから ON
第53章 簡単じゃない3 智
3-2
「あのね」
ゆっくりとした低い声にドキッとする
けど、ニノは さっきほど険しい目つきじゃなくて
どっちかってゆーと 小さな子供に言い聞かせるみたいに
優しい声で話しかけてくれてる
「正直言うとね・・・昨日は確かに俺もちょっと落ち込んだの。何だよ、俺、全然ダメじゃん・・・って」
「・・え?ダメ、って・・・ニノが?」
「うん・・。貴方がこれ以上自分を責めなくてもいいように、
俺が貴方を救うんだー、なんて。
ちょっとヒーロー気取りで コトに及んだはずだったのに 俺 結局ダメじゃん、って」
「・・・・・・」
「あー・・俺 何やってんだろうな、・・・って思った」
「そんな・・・」
