
貴方の涙は俺が拭くから ON
第64章 泣いてもいいよ8 ニノ
そこに最上級の感謝をしつつも
中学生の俺が あの頃貴方にしてあげたくて 出来なかったことを
漸く 出来る気がするのは
やっぱり 俺も少しは大人になったからだよね
今の俺は 貴方を抱きしめて その綺麗な涙を拭ってあげられる
そんな事が嬉しくて嬉しくて
愛しい人の頬を両手で挟んで
キラキラ輝く滴を親指で拭おうとするけど
何でだろ、急に視界がぼやけて良く見えないんだ
と、俺の目尻に大野さんの唇が寄せられ
小さなリップ音を立てながら涙を掬い取ってくれる
