雪に咲く花
第12章 亘のきずあと
2月の日にちに変わり、亘はカレンダーを一枚はがした。
いじめについて解決してから一年ほどの月日が過ぎていた。
「あっ今年は閏年だ。亘はやっと誕生日来るんだね」
亘の部屋にきていた雪斗が29の数字を指差して言った。
「ああ、そうだな。じゃあ、俺の方が雪斗より年下になるんだな。誕生日は6回目だからね」
「じゃあ亘は6歳だ。おかしいな」
冗談言いながら笑う亘の心に、冷たい風が吹く。
四年に一度しかない2月29日は亘の誕生日である。
しかし、亘にとってのこの大事な日が、一年の中で一番嫌いな日だったのだ。
いじめについて解決してから一年ほどの月日が過ぎていた。
「あっ今年は閏年だ。亘はやっと誕生日来るんだね」
亘の部屋にきていた雪斗が29の数字を指差して言った。
「ああ、そうだな。じゃあ、俺の方が雪斗より年下になるんだな。誕生日は6回目だからね」
「じゃあ亘は6歳だ。おかしいな」
冗談言いながら笑う亘の心に、冷たい風が吹く。
四年に一度しかない2月29日は亘の誕生日である。
しかし、亘にとってのこの大事な日が、一年の中で一番嫌いな日だったのだ。