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雪に咲く花

第14章 [番外編]誤解から始まる恋

とにかく、今はバイトより恋だ。
こんな、チャンス逃してたまるかってんだ。
「歩ちゃ~ん、今、会いにいくぜ!」
喜びが頂点に達して、俺はスイーツクラブの活動をしている調理室に足を運んだ。

調理室に入ると甘い香りが漂い、テーブルの上に並べられた紙皿には、クッキーや小さめのケーキ、マフィンや和菓子などが何種類か置かれている。
その前には、既にひとだかりが出来ていた。
ただで試食出来るんだから人も集まるだろう。
「本郷先輩!来てくれたんですね」
おぉっ!この声は……!……えっ……!?
振り向くと愛しの歩ちゃんが目の前にいた。……のだが……。
なんと、歩ちゃんはエプロンの下に男子の制服をきているじゃないか!
ということは……!?
「待ってましたよ。これ、昨日のお礼です。部員たちで作ったお菓子のお裾分けが入ってますから。一番大きい形のクッキーは僕が作ったんです」
歩ちゃんが、リボンのついた可愛い袋を差し出した。
今、僕っていってたよな?
ということはやっぱり……。

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