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雪に咲く花

第16章 教師と生徒

次の日になり、帰宅する時間になった。
「また、明日からは教師と生徒だからな。勉強頑張れよ」
「勉強、勉強言うなよ。気分が壊れるだろ」
二人はマンションの庭のような公園を歩いていた。
天気予報が雨ということであり、空が暗くどんよりしている。
楽しい時間が終わってしまった後の、雪斗の心に、曇り空は隙間を広げていくようだ。
明日から、亘とは教師と生徒に戻らなければならない。
「亘、キスしてよ」
「えっ!ここでか?」
心の穴を埋めたくて、亘にキスのおねだりをする。
「明日から、勉強頑張るからさ」
「ほんとに、雪斗は甘えん坊だな」
亘が雪斗を抱きしめると、頭を撫で優しくキスをした。
「じゃあ、また来週な」
「うん、浮気するなよ」
亘は駅まで送ってやりたかったが、明日の準備が忙しいため、マンションの建物の前で二人は別れたのだ。

この時、二人は知らなかった。
雪斗が亘にねだったキスが、二人の運命の歯車を狂わせる、きっかけだったということに……。

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