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雪に咲く花

第25章 雪に結ばれた花

身体を流し終わった後、二人は露天風呂へと向かった。
「うわっ……!寒い!」
凍えた身体を温めるため、すぐに湯船に浸かった。
冷気により、お湯はぬるめだが、不思議と温かさを感じる。
目の前に、ゆったりとしたリズムで雪が降り、夜の景色は真っ白に染まっていた。
「綺麗だな。こんなの初めてだ。カメラ持ってくれば良かった」
「うん、雪の中だからか、かなり、いいお湯に感じるよ」
「今年は、雪の花がたくさん見れたね」
温泉に浸かりながら、眺める雪景色は神秘的に輝いている。
「ねえ、亘、後でお願いがあるんだけど……」
「何だい?お願いって……」
雪斗が、何かを決意したように、亘の顔を見た。

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