雪に咲く花
第29章 新しい命
海斗も美紅も楽しそうにしていたが、美桜は気分が晴れない。
本来なら、両親と一緒に過ごすはずだったクリスマスイヴなのに、母が出産するために、ここにはいないのだ。
また、美桜の心に罪悪感が生じていた。
自分が弟なんかいらない、生まれてこなきゃいいと、思ったことで母は苦しんでいるのだろうか?
赤ちゃんが、ちゃんと生まれなかったらどうしようと不安になった。
お母さんも赤ちゃんも、無事でありますように……。
夜遅い時間に、父が迎えに訪れた。
父は、明日みんなで一緒に病院へ行こうと言い出した。
母は無事、男の子を出産したそうである。
美桜の不安は解消され、ほっと胸を撫でおろす。
海斗は、待ち望んでいた弟に会えるからと嬉しそうだ。
隣家を出て外に出ると、周囲は雪で白く埋め尽くされていた。
「こんな雪の日に弟は産まれたのよね」
美桜が呟くと、父が空を見上げた。
「そうだな。お前たちには寂しい思いをさせたが、クリスマスイヴに最高の贈り物をもらったよ」
「赤ちゃんのことだよね?そういえば名前決めてなかったよね。わたし今、考えちゃった」
美桜が、しんしんと降り続ける雪を見て、ふと思いついたのだ。
本来なら、両親と一緒に過ごすはずだったクリスマスイヴなのに、母が出産するために、ここにはいないのだ。
また、美桜の心に罪悪感が生じていた。
自分が弟なんかいらない、生まれてこなきゃいいと、思ったことで母は苦しんでいるのだろうか?
赤ちゃんが、ちゃんと生まれなかったらどうしようと不安になった。
お母さんも赤ちゃんも、無事でありますように……。
夜遅い時間に、父が迎えに訪れた。
父は、明日みんなで一緒に病院へ行こうと言い出した。
母は無事、男の子を出産したそうである。
美桜の不安は解消され、ほっと胸を撫でおろす。
海斗は、待ち望んでいた弟に会えるからと嬉しそうだ。
隣家を出て外に出ると、周囲は雪で白く埋め尽くされていた。
「こんな雪の日に弟は産まれたのよね」
美桜が呟くと、父が空を見上げた。
「そうだな。お前たちには寂しい思いをさせたが、クリスマスイヴに最高の贈り物をもらったよ」
「赤ちゃんのことだよね?そういえば名前決めてなかったよね。わたし今、考えちゃった」
美桜が、しんしんと降り続ける雪を見て、ふと思いついたのだ。