
雪に咲く花
第32章 すれ違いの始まり
亘は、再び椅子に座り、悠希に言った。
「君にはがっかりしたよ。壊してしまったものはどうにもならないけど、どうして正直に話してくれなかったんだい?ゴミ箱に捨てることはないだろ」
悠希は無言で、うつむいている。
「あのフォトフレームはね、俺達にとってはかけがえのない宝物なんだよ。雪斗があれだけ怒るのも無理はない。あれについているオルゴールはね、雪斗が苦しい思いをしたときに心を救ってくれたものなんだ」
悠希は何も言えないままだ。
「正直言って俺だって君を許せない。大切なものを壊してしまったうえに、それを隠そうとしたことがね」
「ごめんなさい。同じものを探して弁償します」
ようやく、悠希が口を開いた。
「そういう問題じゃないんだ。あのフォトフレームはたったひとつしかない思い入れのあるものなんだ。代わりなんてないんだよ」
「僕にだって大切な人は一人しかいないんだ」
悠希が涙ぐみ亘を見つめる。
「えっ!?何を言って……」
「フォトフレームはわざと壊したんだ」
「何だって!?どうしてそんなこと」
まさかの言葉が、亘には理解できない。
「君にはがっかりしたよ。壊してしまったものはどうにもならないけど、どうして正直に話してくれなかったんだい?ゴミ箱に捨てることはないだろ」
悠希は無言で、うつむいている。
「あのフォトフレームはね、俺達にとってはかけがえのない宝物なんだよ。雪斗があれだけ怒るのも無理はない。あれについているオルゴールはね、雪斗が苦しい思いをしたときに心を救ってくれたものなんだ」
悠希は何も言えないままだ。
「正直言って俺だって君を許せない。大切なものを壊してしまったうえに、それを隠そうとしたことがね」
「ごめんなさい。同じものを探して弁償します」
ようやく、悠希が口を開いた。
「そういう問題じゃないんだ。あのフォトフレームはたったひとつしかない思い入れのあるものなんだ。代わりなんてないんだよ」
「僕にだって大切な人は一人しかいないんだ」
悠希が涙ぐみ亘を見つめる。
「えっ!?何を言って……」
「フォトフレームはわざと壊したんだ」
「何だって!?どうしてそんなこと」
まさかの言葉が、亘には理解できない。
