雪に咲く花
第37章 ポーカーフェイスの事情
黒崎の住む、こぢんまりしたアパートに雪斗は連れてこられたのだ。
あまり余計な物は置いておらず、きちんと整理整頓されている。
「さあ、お茶でも飲んで落ち着いて話そうか」
黒崎がコ―ヒ―を運んでテ―ブルに置いた。
「あのっ!俺、どうしてこんなところで?……」
亘の家を飛び出してから、見知らぬ男達に絡まれ過呼吸を起こしたのだ。
いつの間にか、黒崎のアパートに連れてこられて眠ってしまったらしい。
「ここに着いてから倒れるように眠っちゃったんだよ。何か深刻な事情があるようだな」
亘のことを思いだし、涙が流れる。
「俺、何もなくなっちゃったんです。亘だけが支えだったのに……」
何故か、黒崎に全てをさらけ出していた。
高校時代、酷いいじめを受けたあげく性的暴行を受けた事、
そんな自分を亘が優しく包んでくれたお陰で立ち直ることができた事
しかし、亘が事故で記憶を失ってしまい、自分を冷たく突き放した事、
不思議と黒崎には話したくなっていたのだ。
泣きじゃくりながら話す内容に、黒崎は暫く黙って聞いていた。
「まさか、君にそんな酷い過去があったとはな……」
全てを打ち明けた後、黒崎が驚いた表情で言った。
あまり余計な物は置いておらず、きちんと整理整頓されている。
「さあ、お茶でも飲んで落ち着いて話そうか」
黒崎がコ―ヒ―を運んでテ―ブルに置いた。
「あのっ!俺、どうしてこんなところで?……」
亘の家を飛び出してから、見知らぬ男達に絡まれ過呼吸を起こしたのだ。
いつの間にか、黒崎のアパートに連れてこられて眠ってしまったらしい。
「ここに着いてから倒れるように眠っちゃったんだよ。何か深刻な事情があるようだな」
亘のことを思いだし、涙が流れる。
「俺、何もなくなっちゃったんです。亘だけが支えだったのに……」
何故か、黒崎に全てをさらけ出していた。
高校時代、酷いいじめを受けたあげく性的暴行を受けた事、
そんな自分を亘が優しく包んでくれたお陰で立ち直ることができた事
しかし、亘が事故で記憶を失ってしまい、自分を冷たく突き放した事、
不思議と黒崎には話したくなっていたのだ。
泣きじゃくりながら話す内容に、黒崎は暫く黙って聞いていた。
「まさか、君にそんな酷い過去があったとはな……」
全てを打ち明けた後、黒崎が驚いた表情で言った。