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雪に咲く花

第8章 ホワイトクリスマス

雪斗と亘は、終園間際の小さな遊園地の観覧車に乗っていた。
颯人が誕生日のプレゼントにと招待券を二人分くれたのだった。
「亘兄と二人で過ごしたいんだろ」
颯人は雪斗の亘への気持ちに気づいていたのだ。
「あっ雪だ!」
「ほんとだ。ホワイトクリスマスになったんだな」
窓の外の白い雪が優しく落ちていくようだった。
イルミネーションで色づいた景色と、白い雪がマッチして、美しい光景が仕上がっている。
ふと、雪斗は両親が生きていた頃の日を思い出した。
あの日もこんな光景を見てたのだ。
「雪の花が咲いたね」
「雪の花?」
「母さんが言ってたんだ。雪のなかにも花が咲くんだって」
「ほんとだな。この雪の中でこんな綺麗で暖かい花が咲いているもんな」
心が通じたように亘は雪斗の言葉を理解したようだ。

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